路上の霊魂(読み)ろじょうのれいこん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「路上の霊魂」の意味・わかりやすい解説

路上の霊魂
ろじょうのれいこん

日本映画。 1921年松竹作品。総指揮小山内薫。監督村田実。出演小山内薫,東郷是也 (のちの鈴木伝明) ,沢村春子。新劇運動のリーダー小山内は松竹キネマの商業主義に反発して松竹キネマ研究所を創設したが,これはその第1回作品。 W.シュミットボンゴーリキー原作から牛原虚彦が自由に脚色した。

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世界大百科事典(旧版)内の路上の霊魂の言及

【日本映画】より

…俳優学校から研究所へかけて,小山内薫のもとには,監督の村田実,牛原虚彦(きよひこ),島津保次郎,脚本・監督の伊藤大輔,脚本の北村小松,俳優の鈴木伝明(当時は東郷是也),沢村春子,南光明,英(はなぶさ)百合子などが集まった。こうした人材によってつくられたのが,松竹キネマ研究所の第1回作品《路上の霊魂》(1921)である。小山内薫総指揮・牛原虚彦脚本・村田実監督によるこの映画は,シュミットボンの《巷の子》とゴーリキーの《どん底》に取材したもので,対立する父と子やどん底の人々を並行的に描く手法,寛容と不寛容という主題において,明らかにD.W.グリフィスの《イントレランス》(1916)の影響が見られ,日本映画としては画期的なものであったが,翻訳劇臭の強さなどが目だって,実験的試みの域を出ず,興行的にも不振に終わった。…

※「路上の霊魂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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