シュミットボン(読み)しゅみっとぼん(英語表記)Wilhelm Schmidtbonn

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュミットボン」の意味・わかりやすい解説

シュミットボン
しゅみっとぼん
Wilhelm Schmidtbonn
(1876―1952)

ドイツ作家ボン生まれ。自然主義に近い出発から、新ロマン派風な戯曲名声を得、のち一時期、表現主義に近づいた。しかしその特色は、ライン地方の自然に密着した単純な人間の生活を、詩情豊かに描いた郷土芸術的なところにある。戯曲のほか、メルヘン伝説、物語、一部自伝的な長編小説がある。主要著作は、戯曲『街(まち)の子』(1901)、『放蕩(ほうとう)息子』(1912)、『憑(つ)かれた人々の町』(1915)、物語『河畔の人々』(1903)など。

[城山良彦]

『森鴎外訳『街の子』(岩波文庫)』『秦豊吉訳「放蕩息子」(『近代劇大系7』所収・1924・同書刊行会)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュミットボン」の意味・わかりやすい解説

シュミットボン
Schmidtbonn, Wilhelm

[生]1876.2.6. ボン
[没]1952.7.3. バートゴーデスベルク
ドイツの劇作家,小説家。本名 Wilhelm Schmidt。初め音楽家を志したが,書籍商となり,各地の大学で学び,伝説劇『町の子』 Mutter Landstrasse (1901) で認められ,文筆生活に入った。その文学はライン地方の郷土性に根ざした,反文明的保守的なものだが,抒情性ゆえに愛好された。戯曲『グライヘン伯爵』 Der Graf von Gleichen (08) ,童話『奇跡の木』 Der Wunderbaum (13) ,自伝『川のほとりに生きて』 An einem Strom geboren (35) など。

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