ドイツの作家。ボン生まれ。自然主義に近い出発から、新ロマン派風な戯曲で名声を得、のち一時期、表現主義に近づいた。しかしその特色は、ライン地方の自然に密着した単純な人間の生活を、詩情豊かに描いた郷土芸術的なところにある。戯曲のほか、メルヘン、伝説、物語、一部自伝的な長編小説がある。主要著作は、戯曲『街(まち)の子』(1901)、『放蕩(ほうとう)息子』(1912)、『憑(つ)かれた人々の町』(1915)、物語『河畔の人々』(1903)など。
[城山良彦]
『森鴎外訳『街の子』(岩波文庫)』▽『秦豊吉訳「放蕩息子」(『近代劇大系7』所収・1924・同書刊行会)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報