身分社会(読み)みぶんしゃかい(その他表記)Ständegesellschaft

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「身分社会」の意味・わかりやすい解説

身分社会
みぶんしゃかい
Ständegesellschaft

固定化された地位としての身分を集団構成の原理とし,全体として支配秩序によって編成されている社会。身分社会は,江戸時代の日本 (士農工商) ,中世西欧 (国王貴族の第一身分,聖職者の第二身分,市民の第三身分) ,インドのカースト制,古代ギリシア・ローマ (貴族,平民の自由民と奴隷) など多くの地でみられた。それは,生れつき決定されている身分の世襲 (職業の世襲) ,相異なる身分間での通婚の禁止,身分ごとに特有の生活様式 (衣服,教育など) を特徴とする固定的で閉鎖的な社会であり,業績主義を中心とする変動的で開放的な近代社会とは対照的である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android