改訂新版 世界大百科事典 「軒廊御卜」の意味・わかりやすい解説 軒廊御卜 (こんろうのみうら) 平安時代以来,朝廷で行われた卜占。干ばつ・霖雨などの天災,宮中・社寺等における怪異などに際し,内裏紫宸殿の軒廊で神祇官の亀卜および陰陽寮の式占(式盤を用いる占)が行われた。とくに一代一度の大嘗祭の悠紀(ゆき)・主基(すき)国郡卜定は重視され,大臣が勅を奉じて神祇官の官人を召し,軒廊において亀卜を行わせた。現在の京都御所の軒廊は,紫宸殿の東階の下から宜陽殿(ぎようでん)に渡る吹き放しの廊で,しっくいの地面にはめ込まれた方形の平石が亀卜を行った跡である。なお内々の卜占は,蔵人所において行う例であった。執筆者:橋本 義彦 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by