軽口ばなし(読み)かるくちばなし

世界大百科事典(旧版)内の軽口ばなしの言及

【落語】より

…演出法は,落語家が扇子と手ぬぐいを小道具に使用し,講談や浪曲(浪花節)のような叙述のことばを省略して,会話と動作によってはなしを展開する。はじめは,単に〈はなし〉といわれ,この言いかたは,現在も〈はなしを聴きに行く〉とか,〈はなし家〉とかいうように残っているが,天和・貞享(1681‐88)以後は,上方を中心に,〈軽口(かるくち)〉〈軽口ばなし〉などと呼ばれ,この上方的呼称である〈軽口〉時代が,上方文学の衰退期である明和・安永(1764‐81)ごろで終わり,文学の中心が主として江戸に移って,江戸小咄時代になると,もっぱら〈落(おと)し咄〉というようになった。〈落語〉という字が使用されはじめたのは,天明(1781‐89)からだが,〈らくご〉とは読まず,〈おとしばなし〉と呼んでいた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」