〈すく〉ともいう。(1)優れた漢詩句や俳句。(2)洒落・地口・口合(くちあい)の類。(3)和歌,連歌,俳諧また散文において,縁語,懸詞(かけことば)などで技巧をこらした句。定家の〈秀句も自然に何となく読みいだせるは,さてもありぬべし〉(《毎月抄》1219成立),心敬の〈およそ秀句なくては歌・連歌作りがたかるべし(略)しかはあれど,秀句に必ず凡俗なることおほしとなむ。分別最用なるべし〉(《ささめごと》1463成立),惟中(いちゆう)の〈秀句によきとあしきとあり。一句なびらかに聞きよく,すなほにつゞきたるをよしとす〉(《俳諧蒙求》1675)など,和歌,連歌,俳諧のどのジャンルでも,より自然な秀句が歓迎されている。
執筆者:乾 裕幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…(3)和歌,連歌,俳諧また散文において,縁語,懸詞(かけことば)などで技巧をこらした句。定家の〈秀句も自然に何となく読みいだせるは,さてもありぬべし〉(《毎月抄》1219成立),心敬の〈およそ秀句なくては歌・連歌作りがたかるべし(略)しかはあれど,秀句に必ず凡俗なることおほしとなむ。分別最用なるべし〉(《ささめごと》1463成立),惟中(いちゆう)の〈秀句によきとあしきとあり。…
…平安時代には物名(ぶつめい∥もののな)という和歌の一体があったが,それは〈来(く)べきほど時過ぎぬれや〉(《古今集》)という句の一部に,鳥の名の〈ほととぎす〉を前後の意味・文脈と関係なしに隠し入れた類で,ふつうはこれを懸詞といわない。平安・鎌倉期の歌論・連歌論で〈秀句(しゆうく)〉と呼ばれるものには,懸詞のほかに当意即妙の気の利いた表現までも含まれることが多い。懸詞は時代が下ると似たようなものに固定する傾向が現れる一方で,和歌・連歌・俳諧・狂歌などばかりでなく,軍記物語・謡曲・浄瑠璃のような音曲的な文章でもたいせつな修辞法として用いられた。…
…〈humanité〉(人間性)と〈animalité〉(獣性)を合成した〈humanimalité〉(獣人性)というフランス製のカバン語もある。(11)地口 〈秀句〉〈口合(くちあい)〉〈洒落(しやれ)〉ともいい,〈言いかけ〉〈掠(かす)り〉〈捩(もじ)り〉なども同様の技巧をさす。英語のパンpunにあたる。…
※「秀句」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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