笑話(読み)わらいばなし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

笑話
わらいばなし

民話の一形態。本格昔話に対する派生昔話の一種で,本格昔話が話の発端,事件の展開,結末と,整った話型をもち,いくつかのエピソードによって構成されるのに対し,笑話は単純な形式をとり,聞き手に笑いを起させることを目的とする掌編話型となっている。笑話が著しい発達を示したのは,おおむね中世以降とみられ,日本では鎌倉時代に寺院の僧が説経の資料に採用したことによって広い伝播をみたといわれる。アメリカの S.トンプソンは笑話を,(1) 愚か村の話,(2) 愚かな妻または夫の話,(3) うそ話などに分類しているが,日本でも柳田国男が,(1) 大話 (誇張譚) ,(2) まねそこない話,(3) 愚か者話の3つに分けている。

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デジタル大辞泉の解説

しょう‐わ〔セウ‐〕【笑話】

こっけいな話。わらいばなし。
談笑すること。
「衆客又来集し―頗る聒(かまびす)し」〈織田訳・花柳春話

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうわ【笑話】

滑稽な話,おどけた話をいう。笑話には,人間をおもな登場者として聞き手を笑いでもてなそうとするところに特色があった。古くは,神の前で人々が笑うことが神を慰め,神の怒りを鎮めると信じられていたらしい。山の神にオコゼを見せて笑ってもらうという祭りもその一例である。山遊びや田楽などにも笑話的要素が見られる。民話の中には愚かな行為や失敗を扱った笑話も含まれている。政治的な風刺や卑わいな話も笑話の材料となる。地口,秀句,落ちなど軽妙なことばの洒落を示す言語遊戯による笑話の伝承もある。

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精選版 日本国語大辞典の解説

しょう‐わ セウ‥【笑話】

〘名〙
① 滑稽な内容の話。おかしい話。笑い話。落語。
咄本・聞上手(1773)叙「今集る笑話(セウワ)一帖、聞上手と題す」 〔桃花扇‐訪翠〕
② (━する) 笑いながら話すこと。また、その話。談笑。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉五三「衆客又来集し笑話頗る聒(かまびす)し」
[補注]「小説精言‐四」に「我説個笑話(〈注〉ヲドケバナシ)」とある。

わらい‐ばなし わらひ‥【笑話】

〘名〙
① 笑いながら話すこと。笑談(しょうだん)。しょうわ。
※牛部屋の臭ひ(1916)〈正宗白鳥〉一「隣近所の女達を相手に、持前の高声でげらげらと笑ひ話をして興じてゐる」
② 滑稽な内容の話。おかしい話。しょうわ
坑夫(1908)〈夏目漱石〉「尤も是れが悟り始めの悟り仕舞だと笑ひ話にもなるが」
③ 昔話のうちの一部門。知恵のはたらき、はなはだしい誇張を主眼とした話、愚人に関する話などが含まれる。

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