迎撃衛星(読み)げいげきえいせい(その他表記)interceptor satellite; killer satellite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「迎撃衛星」の意味・わかりやすい解説

迎撃衛星
げいげきえいせい
interceptor satellite; killer satellite

相手国の衛星または ICBMなどの弾道ミサイル迎撃破壊する人工衛星。目標は偵察,早期警戒,通信などの軍事衛星で,迎撃衛星はランデブー要領によって軌道変更を行い,目標に接近,直接衝突,散弾発射,ロケット発射などによる破壊か,あるいは強力なレーザー光線の照射によって,目標衛星のセンサーを破壊し,機能を失わせる。この種の衛星は,軌道変更能力と大量の電力を必要とするので,原子力ロケット,あるいは電気推進ロケットおよび原子力発電装置が考えられている。ソ連は衛星を目標とする迎撃実験を,1968年以降数十回にわたって行い,一応のめどがついたと思われる 83年8月,一方的に実戦配備停止を宣言した。 92年1月,ロシアのエリツィン大統領は,アメリカとの相互的立場で衛星破壊兵器の完全禁止を呼びかけている。一方,アメリカは宇宙天体条約 (1968) に抵触するとの理由で,表立った開発はしなかったものの,航空機からミサイルを発射して衛星を迎撃する方式で実験を行なった。

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