朝日日本歴史人物事典 「近江屋左平次」の解説
近江屋左平次
江戸中期の浅草蔵前の札差。明和・安永年間(1764~81)の十八大通のひとり。屋号・名前は襲名であるが,姓や何代目かは不詳。俳号を景舎と称し,茶番劇の名人といわれた。近江屋は享保9(1724)年札差株仲間の結成ごろは清兵衛と称していたが,同19年に改名。浅草福井町2丁目の地守で天王町一番組に属した。経営状況も不明であるが,寛政1(1789)年の棄捐令で2万5000両の債権を失っており,かなり大きな札差業者であったことがわかる。その逸話については,三升屋二三治『十八大通』に記されている。<参考文献>北原進『江戸の札差』
(北原進)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報