近藤実左衛門(読み)こんどう・じつざえもん

朝日日本歴史人物事典 「近藤実左衛門」の解説

近藤実左衛門

没年:明治36.6.5(1903)
生年:文政8(1825)
幕末明治期の侠客。念流の剣客で,中京地方に侠名をとどろかせた博徒北熊一家の親分戊辰戦争のとき尾張(名古屋)藩の要請を受けて博徒を糾合し,集義隊を編成し,官軍方として北陸に転戦した。尾張徳川に属したためその戦功は明治新政府に認められず,集義隊士は維新後に再び博徒に戻る。明治15(1882)年実左衛門が賭博犯として検挙されると,残された幹部らは自由党左派の奥宮健之らの影響を受け,運動資金獲得のため徒党を組んで連続強盗をはたらく(名古屋事件)。65歳のとき恩赦出所。服役中に侵俊食された縄張りを回復するため,瀬戸一家と壮絶な抗争を起こした。<参考文献>長谷川昇『博徒と自由民権

(正延哲士)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「近藤実左衛門」の解説

近藤実左衛門 こんどう-じつざえもん

1825-1903 幕末-明治時代の侠客(きょうかく)。
文政8年生まれ。名古屋地方に勢力をはった北熊一家の親分。戊辰(ぼしん)戦争では博徒をあつめて集義隊を組織し,新政府軍方として北陸でたたかう。明治15年賭博(とばく)犯として検挙される。出所後,瀬戸一家との縄張り争いに終始した。明治36年6月5日死去。79歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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