追い腹
おいばら
主君の死後、臣下の者がその後を追って切腹すること。殉死。家臣が主君に殉じるのは、一生二君に仕えずとする武家社会の思想からである。初めは戦死の場合だけであったが、のちには主人が病死しても追い腹が行われ、江戸初期に全盛期をみた。幕府は1663年(寛文3)殉死禁止令を出したが、後を絶たぬため、関係者に厳刑を科し、ようやく終止符を打たせた。女性では、加賀藩主の妹である浅野侯夫人と侍女との間に一例をみる。
[稲垣史生]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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