通浦(読み)かよいうら

日本歴史地名大系 「通浦」の解説

通浦
かよいうら

[現在地名]長門市通

青海おうみ島の東部で、島のほぼ中央の最狭部より東方半島状の地域。西は瀬戸崎せとざき浦の属村青海村・大日比おおひび浦。南は仙崎せんざき湾、北と東は日本海に面す。東南に帆止の瀬戸ほどめのせとを挟んでおお島・ささ島・鹿の島などが点在する。前大津宰判に所属する。

浦内の向岸こうがん寺所蔵応永七年(一四〇〇)始筆同九年終功の書写大般若経の奥書に「通島海雲山西福寺」とあって通島とし、慶長一五年(一六一〇)検地帳には「青海島」とする。通島とするのは青海島の東方半島部分であり、検地帳の青海島も実際には通島と同じと想定される。通島は漁業を主とし、近世中期以降の郷村帳類ではおおむね村名を通浦と称した。「通」の名は、この浦が三隅みすみ村八幡宮(現大津郡三隅町)の氏子圏であることなどから、三隅本土として通い漁業をしたことに起因するという説もある。

慶長一五年の検地帳では総石高三一八石余、うち田が一九町余で二七四石余、畠が四町余で二三石余、百姓屋敷三〇とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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