通称道路名(読み)つうしょうどうろめい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「通称道路名」の意味・わかりやすい解説

通称道路名
つうしょうどうろめい

自治体などが定める道路愛称。「道路通称名」「道路愛称名」などとよばれることも多い。幹線道路のみならず生活道路についても市や特別区などの自治体主導で愛称がつけられ、道路標識に愛称のみが使用されることも多い。東京都は都民や観光客の交通の利便性を高め、災害時の避難や緊急輸送をスムーズに行うことを目的として、これまでに1962年(昭和37)~1963年と1984年の2回にわたり、計129路線について愛称を設定した。山手通り(都道14号・317号)、青山通り(国道246号)、環八通り(国道131号・466号、都道311号)などがそれにあたる。都は2014年(平成26)2月にも、通称道路名が設定されていない都内の主要道路(42路線)に、新たに愛称を設定した。

 また、愛称を変更する動きもある。都道環状2号線の地上部道路である虎ノ門―新橋間(約1.4キロメートル)は、第二次世界大戦の終戦直後に計画があったが、長い間未着工であった。この区間は、連合国最高司令官総司令部(GHQ)が虎ノ門のアメリカ大使館から東京湾の竹芝桟橋までの軍用道路整備を要求したなどの俗説もあり、「マッカーサー道路」の愛称で知られるようになっていた。しかし、戦後の占領期にゆかりのある愛称には反発の声があったため、愛称変更の動きが出た。東京都や学識経験者らでつくる愛称名選考委員会は、公募を経て2013年5月に新しい愛称を「新虎(しんとら)通り」と発表した。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例