案内標識、警戒標識、規制標識、指示標識に分類される。主に案内と警戒の両標識は国や都道府県などの道路管理者が、規制と指示の両標識は都道府県の公安委員会が設置する。案内標識は地名や行き先を示す表示で、警戒標識は踏切や学校、落石の恐れなど運転者に注意を促すものだ。一時停止を示すのは規制標識に分類され、他に駐停車禁止や一方通行などがある。横断歩道や停止線などの場所を示すのが指示標識だ。
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道路における交通の安全と円滑な走行を図るために設けられる施設であって、道路の交通に対して必要な案内、指導または規制を一定の様式化された表示方法によって示したもの。道路標識の様式、設置者の区分、設置場所その他必要な事項は、道路法および道路交通法に基づく「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」(1960)に規定されている。道路標識は、大きく本標識と補助標識に区別される。本標識は、その目的によって次の4種類に分類される。
案内標識 市町村の境界、目的地への方向および距離、著名地点など当該道路に関する情報を教示する。
警戒標識 交差点、道路の屈曲、踏切、道路工事など道路交通上危険な箇所を予告して運転者の注意を喚起する。
規制標識 通行止め、追越し禁止、駐車禁止、速度制限などの交通規制を示す。
指示標識 軌道敷内通行可、駐車可のように運転者に対し一定の指示をしたり、横断歩道、自転車横断帯などを歩行者などに対し指示する。
補助標識は、本標識が適用される対象、時間、区域などを限定したり、規制理由を示したりするために用いられ、通常、本標識の下に付置される。
道路標識の設置は、案内標識、警戒標識はもっぱら道路管理者が設置し、規制標識、指示標識については、もっぱら道路管理者が設置するもの、もっぱら都道府県公安委員会が設置するもの、両者がそれぞれ設置するものに区分される。通常は、1枚の標識板で1種類の意味を表しているが、最近は、標識の図柄または文字をタイムスイッチまたは遠隔制御信号によって変更できる可変式標識も使われている。
道路標識のほかに、道路交通に関して規制または指示を表示するものとして、前記命令に基づく区画線と道路標示がある。区画線は、道路管理者が設置するもので、車道中央線、車線境界線、車道外側線などがある。道路標示は、都道府県公安委員会が設置するもので、規制標示と指示標示の2種類がある。前者は、転回禁止、進路変更禁止など交通上の禁止、制限または指定を示し、後者は、横断歩道、停止線、進行方向など交通に関し必要な指示を出すものである。なお、1968年に国連で「道路標識および信号に関する条約」が採択されている。
[折田康徳・佐藤英善]
安全,円滑かつ快適な道路交通を実現するための情報を,記号または文字で伝える標識。〈道路法〉および〈道路交通法〉に基づき,路側または道路上方に設置される。道路標識は本標識と補助標識に分かれ,前者はさらに,(1)道路利用者に道路の路線名,行先の方向,距離,高速道路入口案内などの経路案内情報や,行政境界,地名などの沿道案内情報および駐車場や待避場,サービスエリア,料金所など道路サービス施設情報を提供する案内情報,(2)交差点や道路の平面・縦断方向の屈曲,幅員変化など道路形状や交通流に関する予告や警告,あるいは工事や路面状況,気象状況などの予告や警告などを知らせる警戒標識,(3)道路管理者,または公安委員会が車両および歩行者に対し,速度規制,駐停車規制,通行規制など,交通の禁止・制限・指定を行うための情報を伝える規制標識,(4)駐車・停車可,優先道路,中央線の指定,横断歩道など,運転者や歩行者に許容された内容を伝える指示標識の4種類からなる。後者の補助標識は,本標識に付置され,日時,距離,車両種類,始まり,終りなど,本標識の内容を緩和する追加情報を与えるものである。一般に禁止や規制を表す標識は,赤枠・白地・青記号が用いられ,肯定的な命令や指示を表す標識には青地・白記号が用いられる(高速道路の案内標識には緑地が用いられている)。
道路標識と同様の目的をもつものに区画線および道路標示がある。これらは,路面や縁石,橋桁などにペイントなどを用いて交通の案内誘導,指示などを与えるもので,中央線や車線,追越し禁止や駐停車禁止,横断歩道およびその予告,通行区分,右左折の方法や転回禁止,規制走行速度などさまざまなものがある。
日本では,〈道路標識,区画線及び道路標示に関する命令〉により,これら道路標識,区画線,道路標示の種類,様式,設置場所などが規定されている。なお,1968年に国連で〈道路標識および信号に関する条約〉が採択され,国際的に道路標識の統一化が図られている。
執筆者:森地 茂
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