連珠文(読み)れんじゅもん(その他表記)pearl-circle pattern

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「連珠文」の意味・わかりやすい解説

連珠文
れんじゅもん
pearl-circle pattern

珠 (たま) つなぎの円環の中に,樹木,狩猟図,獅子天馬唐草などの意匠モチーフを単独,あるいは組合せて表現した文様ササン朝ペルシアの工芸品における典型的な文様で,ビザンチンや中国などにも同様な作例がみられる。中国を経て日本にも伝来し,古墳時代の珠文鏡屋根瓦の瓦当装飾,正倉院法隆寺の綾,錦などの染織品の文様に用いられ,法隆寺の『四天王文錦』は最も完全。また野中寺蔵『弥勒半跏像』や法隆寺壁画などにも用いられ,平安時代以後は密教法具などにも施された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android