連辞・連合関係(読み)れんじ・れんごうかんけい(その他表記)rapports syntagmatiques et associatifs

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「連辞・連合関係」の意味・わかりやすい解説

連辞・連合関係
れんじ・れんごうかんけい
rapports syntagmatiques et associatifs

ソシュールの言語非実質論 (→形と実質 ) における用語。言語体系内の諸辞項 termeの意味と価値を決定する2つの関係をさす。一定の文脈内に共存する辞項内の顕在的な関係を「連辞」といい,たとえばフランス語の air (空気,様子,曲) など,その前後関係によってのみ意味が決る場合をさす。一方,各辞項とそれを包含する体系との潜在的な関係を「連合」と呼び,文脈のなかには現れなくても,その辞項が連想させるすべてのほかの辞項との関係をいう。この連想は音の類似や意味の近接,あるいはその両者がきっかけとなって起る。 R.ヤコブソンは,この2つの関係を失語症患者や詩人たちの言葉に適用し,換喩 (メトニミー) ,隠喩 (メタファー) 理論と結びつけた。

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