ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤコブソン」の意味・わかりやすい解説
ヤコブソン
Jakobson, Roman
[没]1982.7.18. マサチューセッツ,ケンブリッジ
ロシア生れのアメリカの言語学者。 1920年にチェコスロバキアのプラハに移り,プラハ学派の有力な一員として活躍。 41年アメリカに移住,ハーバード大学,マサチューセッツ工科大学などの教授をつとめた。一般言語学をはじめ言語学の非常に広い分野にわたってすぐれた業績を上げているが,特に音韻論と形態論における構造主義的方法の推進と,言語現象を広い視野でとらえる総合的学風とで知られる。また詩学の領域でも業績が大きい。8巻の著作集"Selected Writings" (1962~86) が刊行され,ほかに『小児語・失語症・一般音声法則』 Kindersprache,Aphasie und allgemeine Lautgesetze (1941) や,M.ハレ,G.ファントと共著の『音声分析序説』 Preliminaries to Speech Analysis (52) などの著書がある。
ヤコブソン
Jakobson, Max
フィンランドの外交官,文筆家。ジャーナリストとして出発,イギリス放送協会 BBCに勤務したが,外務省入りし,1953~59年アメリカ駐在フィンランド大使館付き報道官をつとめた。その間にフィンランドとソ連の関係を扱った名著『外交官の冬戦争』 Diplomacy of the Winter War (1956) を著わし,外交的識見を認められた。 65~72年国連大使をつとめた。
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