連邦住宅抵当公社(読み)れんぽうじゅうたくていとうこうしゃ(英語表記)Federal National Mortgage Association

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「連邦住宅抵当公社」の意味・わかりやすい解説

連邦住宅抵当公社
れんぽうじゅうたくていとうこうしゃ
Federal National Mortgage Association

経済情勢にかかわらず住宅ローン市場の流動性が保たれるよう,アメリカ合衆国政府が設立した政府認可の民間機関。1938年の設立当初は政府系機関だった。ファニーメイ通称で知られる。大不況をうけ,フランクリン・D.ルーズベルト大統領がニューディール政策の一環として設置した。住宅金融会社などの貸付機関が低金利融資の資金を調達できるようにし,安価な住宅ローンの提供を促進するねらいがあった。高金利のローンを組めない人々の住宅購入をあと押しするのみならず,差し押さえを回避するための住宅ローンの借り換えを促す機能を果たした。ファニーメイは,連邦住宅局や退役軍人局が保証した住宅ローン債権を,銀行や住宅金融会社などの貸付機関から買い取り,その債権を証券化するか,新設の住宅ローン二次市場(ローン債権売買市場)で投資家に販売する。貸付機関は,ファニーメイにローン債権を売却して得た資金を,新たな低金利住宅ローンの資金にあてる。1938年から1968年まで,ファニーメイは政府保証付き住宅ローン債権の売買機関として最大手であった。連邦議会は二次市場に競争原理を導入するため,1968年にファニーメイを民営化し,1970年に同じく特殊法人連邦住宅貸付抵当公社を設立した。

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