遊里語(読み)ゆうりご

精選版 日本国語大辞典 「遊里語」の意味・読み・例文・類語

ゆうり‐ご イウリ‥【遊里語】

〘名〙 江戸時代遊里遊女が用いた特殊なことばづかい。遊女語。くるわことば。さとことば。
[語誌](1)地方出身者の方言を隠すため、遊里独特の雰囲気を出すためなど、その起源や使用目的には諸説あるが、人工的要素が多く、遊女のざれ言葉の中から生まれて形成されていったと見るべきか。
(2)助動詞「んす」「さんす」や動詞「くださんす」「ござんす」など「んす」で終わる敬語が多彩な点が最大の特徴であり、人称代名詞「わちき」「おまはん」などにも特徴がある。
(3)使用者はおもに遊女であるが、遊女以外の女性の使用例や男性の使用例もある。また、遊女も客や店の主人など目上の者には使用するが、かむろには日常語を使うというように、使い分けがあった。

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デジタル大辞泉 「遊里語」の意味・読み・例文・類語

ゆうり‐ご〔イウリ‐〕【遊里語】

郭詞くるわことば」に同じ。

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改訂新版 世界大百科事典 「遊里語」の意味・わかりやすい解説

遊里語 (ゆうりご)

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世界大百科事典(旧版)内の遊里語の言及

【里ことば】より

…一般には〈いなかことば〉の意味であるが,江戸時代には遊郭で遊女らの用いた特殊なことばづかい,および遊郭内での隠語的語彙(ごい)をさし,くるわことば,里なまり,遊里語ともいう。江戸吉原に行われたものがもっとも有名であるが,京都,大坂や岡場所でも用いられた。…

※「遊里語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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