ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
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(2006-11-11 朝日新聞 夕刊 1社会)
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話し手(書き手)が聞き手(読み手)あるいは話題の人物に対する敬意に基づいて用いる特定の言語形式をいう。たとえば、「Aさんがなさるそうです。」は、「Aがするそうだ。」を敬語の言い方にしたものであるが、前者は、話し手が話題の人物Aに対する敬意に基づいて「Aさん」といい、「なさる」という言い方をする一方、聞き手に対しても「そうだ」のかわりに「そうです」を用いることにより敬意を表していることになる。このように敬語は、敬語でない語に対応する別の言語形式であるところにその基本的性格がある。ただし同じ言い換えでも、一方に「Aの野郎もしやがるそうだ。」のような言い方もあり、要するに日本語では、人をどのように待遇するかによって言語形式が変わるので、これを言語待遇または待遇表現とよぶ。敬語を広い意味に解する場合は、これらと同義語として用いられることもあり、近年そうした傾向もみられるが、普通は最初に述べたように敬意に基づく表現をさす。敬語は日本語のほか朝鮮語、チベット語、ジャワ語などに著しいが、欧米語には少ないといわれる。しかし英語のWill you ~ ?に対するWould you ~ ?の形、ドイツ語やフランス語のduやtu(ともに「おまえ」に相当)に対するSieやvous(ともに「あなた」に相当)など、敬語的表現がないわけではない。
[辻村敏樹]
敬語は、もっとも一般的には、(1)相手や第三者の動作・状態・所属物などを高めていう尊敬語(「おっしゃる」「くださる」「お美しい」「ご住所」など)、(2)自分または自分側の者の動作・状態・所属物などを低めていう謙譲語(「申し上げる」「いただく」「拙宅」など)、(3)相手・自分に関係なく物言いを丁寧にする丁寧語(「お天気」「ご飯」「です」「ます」など)の三つに分けられる。しかし、丁寧語のうち「です」や「ます」は相手に対し直接敬意を表す語なので、これを対者敬語とよんで、ほかの丁寧語や尊敬語・謙譲語のように表現素材(話題の人物や事物・事柄)について用いられる敬語(素材敬語)と大きく区別することもできる。その場合、丁寧語という名称は「です」や「ます」に限って、「お天気」や「ご飯」の類は、素材を美化する表現として美化語などとよぶのが適当であろう。そのほか、敬意の対象によって「為手(して)尊敬」「受け手尊敬」「聞き手尊敬」「自己卑下」の各敬語を設ける説、「参る」や「致す」の類を話し手の品位を保つとともに、聞き手に対する敬意を表すものとして「丁重語」という一類をたてる説などいろいろある。
[辻村敏樹]
敬語は、構成上からみると、(1)特定語形を用いるもの(「おっしゃる」「なさる」「くださる」など)、(2)普通の語に敬語的成分を付加するもの(イ. 前接「お顔」「ご本」など、ロ. 後接「息子さん」「行かれる」など、前後接「お医者様」「ご研究になる」など)の二つがある。ただし、(1)(2)の両方を用いて「お見えになる」「お伺いする」などの形にすることもある。
[辻村敏樹]
敬語の使用にあたっては、話し手、聞き手、話題の人物それぞれの関係に応じて、上記各種のことばを使い分けたり、組み合わせたりする必要があるが、動作の表現では、原則として、(1)話題の人物相互の関係による敬語、(2)話し手と話題の人物の関係による敬語、(3)話し手と聞き手の関係による敬語の順、たとえば、
「AさんがBさんに本を(1)さしあげ(2)られ(3)ます。」
のように表現される。このことは、逆に、敬語表現の型から人と人との関係を探りうることを示す。
[辻村敏樹]
敬語は、もと人力を超えた存在(神)に対する敬避の表現に発したものと思われ、古くは文字どおり敬いの気持ちを表すものが中心であった。しかし今日では、そういう意識で用いられることもないではないが、対人関係における上下・親疎などの認識に基づくものがその基調となっている。すなわち、(1)上下関係の認識によるもの(上役・年上・先輩などに対する敬語)、(2)親疎関係の認識によるもの(初対面の人や面識の薄い人に対する敬語)、(3)恩恵的関係の認識によるもの(商人の客に対する敬語や、患者の医者に対する敬語など)、(4)優劣関係によるもの(役人・代議士などに対する敬語)、(5)公的立場の認識によるもの(放送・講演などの際の敬語)などいろいろある。そのほか、自己の品位を保とうとの意識から用いる場合や、親愛・諧謔(かいぎゃく)の意の表現のため自分自身に用いる場合もある。
[辻村敏樹]
現代敬語の傾向としては、(1)美化語や対者敬語への傾斜、(2)特定語形の衰退、(3)相対的用法の拡大などがあげられる。(1)や(2)は敬語簡素化の方向としてとらえられるが、とくに(1)の原因としては、人を上下関係にかかわりなくみようとする現代社会の一般的風潮をあげることができよう。なぜなら、尊敬語や謙譲語は、本来、上下関係を反映するものとしてできたものであるのに対し、美化語や対者敬語はそういう性格のものではなく、自己の品位を保つとか、聞き手のみへの敬意を示すといったものとなっているからである。また、相対的用法とは、相手によって敬語の使い方を変えることで、これは、古く神や天皇が上位者としての意識のもとに、自分自身に敬語を用いた絶対的用法(類例は近世の大名などにもある)と対照的なものといえる。なお、絶対的用法から相対的用法へというのが敬語の一つの流れであるが、現代では自分の身内はもちろん、勤務先の上司のことを外部の人に話すにも、自身のことをいう場合と同様な話し方をする傾向が広まりつつあり、これは上述の流れのなかの現象としてとらえることができる。
[辻村敏樹]
『時枝誠記著『国語学原論』「第5章 敬語論」(1941・岩波書店)』▽『金田一京助著『日本の敬語』(1959・角川書店)』▽『辻村敏樹著『現代の敬語』(1967・共文社)』▽『辻村敏樹著『敬語の史的研究』(1968・東京堂出版)』▽『辻村敏樹編『敬語史』(1971・大修館書店)』▽『宮地裕著『文論』「敬語論」(1971・明治書院)』▽『林四郎・南不二男編『敬語講座』全10巻(1973~74・明治書院)』▽『大野晋・柴田武編『岩波講座 日本語4 敬語』(1977・岩波書店)』▽『宮地裕編『敬語史』(1981・明治書院)』▽『国立国語研究所編『企業の中の敬語』(1982・三省堂)』▽『国立国語研究所著『敬語と敬語意識――岡崎における20年前との比較』(1983・三省堂)』▽『桜井光昭著『敬語論集――古代と現代』(1983・明治書院)』▽『大石初太郎著『現代敬語研究』(1983・筑摩書房)』
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
…無声と有声の対立がしだいに消滅し,後続母音の声調の高低に転移しつつある。またジャワ語の特徴として〈絶対敬語〉的敬語法を発達させていることがあげられる。普通語(ンゴコ)に対して約900語の尊敬語(クロモ)と,約250語の崇敬語(クロモ・インギル)とがある。…
…接頭語には,カ細(ぼそ)い,ヒ弱い(カタカナで示される部分が接頭語。以下同様)などのように今日では限られた結合しかない,したがって意味の明確に取り出しにくいものから,マッさお,スッぱだか,コざっぱりなど比較的結合の自由なものまであり,さらにミ仏,オ車,ゴ成功などの敬語の1類はよほど自由な結合をして,ふつうに連濁を起こさない。テ痛い,トリ調べ,サシ上げる,ヒッかく,カッ払うなどは本来は自立する単語であることが明らかであるが,固有の具体的意味が薄れて単なる強調を示すものとなっている点で接頭語的である。…
…語順は,主語+目的語+述語が原則であり,修飾語は被修飾語の後に置かれる。文語にも敬語形式が認められるが,とくにラサ方言では豊富な敬語形式と複雑な用法を発達させた。以上のほかに,少なくともラサ方言の特徴として,述語の表す動作・状態などの帰属する主体を,話し手が身近なものと感じて発話するかどうかによって〈近称〉と〈遠称〉の範疇が区分され,それぞれに異なる助動詞が呼応することを挙げておく。…
…これらの特徴は,朝鮮語(例:na‐nɯn〈私は〉 chɛ‐gɯl〈本を〉 ilgɯo〈読みます〉)やモンゴル語,トルコ語(例:oku‐t‐ul‐dı〈よま・せ・られ・た〉)などアルタイ系言語(アルタイ諸語)と共通している。 また日本語は複雑な敬語法にしばられていて,普通形〈たべる〉が尊敬形〈おたべになる〉のように形態的に変化する。こうした敬語法は朝鮮語に見られるだけである(例:等称mɔ‐ne〈たべる〉,上称mɔk‐sɯmnida〈おたべになる〉)。…
※「敬語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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