ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「過剰貯蓄論」の意味・わかりやすい解説 過剰貯蓄論かじょうちょちくろんover-saving theory 日本の対外収支の黒字は,過剰な貯蓄にあるとする考え方。 ISバランス論ともいう。国内で発生する貯蓄を国内の投資ですべて消化することはできず,残りの部分が海外に対する投資となって,資本収支の大幅な赤字,経常収支の大幅な黒字が生じる。日米構造協議においては,まさにこの関係が重視され,アメリカ側は日本に対して経常収支の大幅な黒字を是正するために,公共投資の大幅増額やそれを円滑に行なうための土地政策の在り方について要求を行なった。この関係は本来的には過剰貯蓄が対外収支の黒字をもたらすとする一方的な関係ではなく,対外収支の黒字も国内の「貯蓄・投資バランス」に影響を及ぼすという双方向的な関係としてとらえるべきである。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by