遠野盆地(読み)とおのぼんち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「遠野盆地」の意味・わかりやすい解説

遠野盆地
とおのぼんち

岩手県南東部,北上高地早池峰山,石上山,六角牛 (ろっこうし) 山などに囲まれた盆地。北上川へ流れる猿ヶ石川とその支流が西流し,盆地底には水田が開けている。山麓扇状地ではリンゴなどの栽培が行われる。盆地北部には散村が多く,南部には集村がみられ,南部曲屋も分布柳田国男著『遠野物語』の舞台。郷土色豊かな民話民俗芸能が伝承されている。

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世界大百科事典(旧版)内の遠野盆地の言及

【岩手[県]】より

…また,準平原の平たん面を利用して中世以来南部馬の産地として知られ,近年は酪農と畜産を柱とした北上山系開発が進められている。集落が山ひだに点在する山村であるために,畑作儀礼,狩猟儀礼,南部曲家形式の建物などが多く残る民俗学の宝庫でもあり,柳田国男の《遠野物語》で有名な遠野盆地は,〈民話・伝説のふるさと〉として観光客が跡を断たない。 北上高地が太平洋に向かって落ち込む三陸海岸は,地形的には宮古以北の隆起性の段丘海岸と以南の沈降性のリアス海岸に分けられるが,陸中海岸国立公園の景勝地である。…

※「遠野盆地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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