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散村 さんそんdispersed settlement

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

散村
さんそん
dispersed settlement

個々の民家が散在して形成された集落。散村を構成する個々の民家を孤立荘宅 isolated dwellingという。自然発生的なものと,計画的に設定されたものがあるが,一般的にみると後者が多い。ドイツのウェザー川以西,アメリカ中西部や日本の北海道の屯田兵村,富山県の砺波 (となみ) 平野や静岡県の大井川下流地方などはその典型。形成の理由は,農業経営上,土地の均等分割や地割制度,あるいは水の採取の難易や火災予防などの要因の複合したものと考えられる。

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デジタル大辞泉の解説

さん‐そん【散村】

人家が散在している村。⇔集村

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百科事典マイペディアの解説

散村【さんそん】

各家屋がたがいに孤立する集落。集村街村などに対する集落形態。随所に水が得られる所,緩傾斜扇状地,河川氾濫(はんらん)原,沖積平野などに多い。開拓地,屯田など社会的・歴史的条件にも基づく。
→関連項目孤立荘宅山村集落

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大辞林 第三版の解説

さんそん【散村】

住居が散在している村落。水の便がよいことや政策的に土地分割を行なったためなどの様々な理由により成立した。我が国では、富山県の砺波平野の散村が有名。散居村落。 ↔ 集村

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

散村
さんそん

村落の平面形態の一つ。集村に対する語。分散した民家から構成されている村落で、散居村落ともよばれ、規則的な分散形態をとるものと不規則な分散を示すものとがある。規則的なものは、整然とした計画的地割を行って民家を設けるもので新しい開拓地にみられ、タウンシップ制に基づくアメリカ合衆国の中央平原の孤立農場や、明治初年に開発された北海道の屯田兵(とんでんへい)村に基づく村落などにみられる。不規則な散村では、富山県礪波(となみ)平野、大井川下流、讃岐(さぬき)平野、出雲(いずも)平野その他の例があげられているが、その成立過程を通して、平野の微高地、水利条件、フェーン現象などの地理的条件が問題にされている。[中田榮一]

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世界大百科事典内の散村の言及

【新田集落】より

…新田集落は開発地の地形や開発目的によって集落形態が異なり,開発主体によって社会構造や経済機能も異なる。 集落形態は,開発地の地形によって集村,散村,列村,街村となる。集村は一般的で開発地の中の居住適地に新田百姓の家屋が密集し,新田百姓の経営耕地は分散している。…

【砺波平野】より

…砺波平野は傾斜が比較的緩やかで水も得やすいことから早くから開発が進み,庄川の旧河道を利用した灌漑用水路が網目状に発達し,豊かな水田農村が形成された。砺波平野の農家は垣入(かいによ)(垣内)と呼ばれる屋敷林に囲まれ,相互に100~200m内外の間隔をおき,日本で最も典型的な散居村(散村)を形成している。砺波散居村の起源については諸説あるが,中世の扇状地面の荒蕪地開墾に起源するものと考えられている。…

【村】より

… ところで,中世における各種の文書史料ならびに17,18世紀に作製された残存の耕地図などにより,ヨーロッパの集落形態を考えてみると,それには大きく分けて次の三つのタイプが,中世以来存在していたことがわかる。すなわちその一つは,ほぼ30戸前後の農民家屋敷がおのおの自家の菜園地を伴いながら,〈むら〉の中心部に核をなして密集し,その周囲を垣根や柵で取り囲み,その外側にいくつかの共同耕区がひろがり,さらにその外側に森林,牧草地,荒蕪地などの入会地をもつという,三圃農法に最も適合的な〈集村Haufendorf〉であり,第2は10戸前後のルーズなまとまりで,共同の入会地や耕区もあるが,各戸別の耕地も不規則に散在する〈小村〉,すなわちゲルマン地域で〈ワイラーWeiler〉,イギリスで〈ハムレットhamlet〉などと呼ばれる形態であり,第3のタイプは,家屋敷の周囲に各戸の菜園地やブロック状の大小さまざまな耕地,あるいは牧草地などをもち,一戸一戸が分散して,団体規制のきわめてゆるい〈散村Einzeldorf〉である。このほか,干拓や開墾により計画的に道路に沿って規則正しく各戸の家屋敷,菜園地,耕地,牧草地などをもつ〈街村Strassendorf〉,あるいはスラブ系諸族の地域にみられる〈円村Rundling,Runddorf〉などのタイプがあるが,西ヨーロッパの主要な集落形態は,上述の三つと考えてよい。…

※「散村」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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