ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「遠隔作業機」の意味・わかりやすい解説 遠隔作業機えんかくさぎょうきremotely operated vehicle; ROV 支援母船からの遠隔操作に基づき,母船が近づけない狭い空間や危険な場所で探査活動をする小型無人潜水機。最初の ROVは掃海用の軍需用として開発された。民需用は,沖合石油・ガス開発用の掘削支援やプラットフォームの点検・修理,有人潜水艇の救難,鉱物資源などの海底科学調査に使われる。アメリカ合衆国のウッズホール海洋研究所の『アルゴ』および『ジェイソン Jr.』による『タイタニック号』(1912沈没)の発見(1985)と船内の写真撮影は ROVの威力を印象づけた。今日の ROVは母船とケーブルで結ばれた有索式のものが大多数であり,海流の影響や海底の岩との接触による故障が発生しやすい。このため,超音波で交信する無索式の ROVの研究が進んでおり,人工知能 AIによって障害物を認知しながら行動する自走型 ROVが脚光を浴びている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by