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人工知能 じんこうちのうartificial intelligence

知恵蔵の解説

人工知能

AI」のページをご覧ください。

人工知能

コンピューターに知的な活動をさせることを目的とする研究と技術人工知能が対象とする課題は常に変化して、その時代のコンピューターの能力限界ぎりぎりに設定されてきた。例えば、チェスなどのゲームにおける勝利、複雑なパターンの認識、目的を達するための一連の行動のプランニング自然言語の解釈や翻訳、ロボットなど機械の知的な行動、株式や天気のような複雑な現象の予想、人間が行う知的推論と背後の知識データベースの構築、脳における認知の研究とその人工的な実現、などである。一般に人工知能の成否を外部から判断するのは難しい。行動科学的には外面的な刺激反応(質問応答)を見て、知能があると判断できれば人工知能は実現しているとみなしてもいいというチューリング・テストがあるが、それには賛否がある。

(星野力 筑波大学名誉教授 / 2007年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

人工知能

厳密な定義はないが、記憶や学習といった人間の知的な活動をコンピューターに肩代わりさせることを目的とした研究や技術のこと。AIは「Artificial Intelligence(人工知能)」の略。

(2015-08-29 朝日新聞 夕刊 1総合)

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デジタル大辞泉の解説

じんこう‐ちのう【人工知能】

artificial intelligence》コンピューターで、記憶・推論・判断・学習など、人間の知的機能を代行できるようにモデル化されたソフトウエア・システム。AI。

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百科事典マイペディアの解説

人工知能【じんこうちのう】

英語のartificial intelligenceを略してAIとも称する。1950年代半ばから研究がはじまった。コンピューターの目覚ましい発達を背景にし,学習,推論,認識,判断など,人間の脳の役割を機械に代替させようという研究分野,あるいはそのコンピューターシステムをいう。
→関連項目AIコンピューター・ゲーム

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ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

人工知能

言語の理解や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術。AIとも呼ばれる。人工知能を取り入れた応用分野として、特定分野の人間の知識を整理し、データとして蓄積しておき、問い合わせに対してその意味を理解しながら、蓄積したデータを用いて推論、判断するエキスパートシステムなどが挙げられる。また、人間のしゃべる言葉や手書き文字を理解するパターン認識や機械翻訳システムなどにも人工知能の技術が応用されている。

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IT用語がわかる辞典の解説

じんこうちのう【人工知能】

人間の知的能力をコンピューター上で実現するさまざまな技術やソフトウェア、コンピューターシステム。人間が日常的に使っている言語を取り扱う自然言語処理、翻訳を自動的に行ったり翻訳を支援したりする機械翻訳、特定分野の専門家の推論や判断を模倣するエキスパートシステム、画像データを解析して特定のパターンを検出したり抽出したりする画像認識などの応用例がある。◇「artificial intelligence」の頭文字から「AI」ともいう。また、「人工知能システム」ともいう。

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世界大百科事典 第2版の解説

じんこうちのう【人工知能 artificial intelligence】


[定義]
 人工知能(以下略してAIと書く)の定義には二つある。(1)知能の解明を目的とする学問分野(2)知的な振舞いをするプログラムの構築を目的とする学問分野一般には(2)の定義が使われることが多い。完成品(プログラムされた知能)のことを“人工知能”と呼ぶこともあるが,これは誤用に近い。実際,人工知能の部分的研究成果は知られている以上に実用化されているが,これらが知能の名で呼ばれることはない。また,知能とは何かについてもさまざまな立場があり,完全に定義された概念ではないが,人間のそれが手本であることは間違いない。

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大辞林 第三版の解説

じんこうちのう【人工知能】

学習・推論・判断といった人間の知能のもつ機能を備えたコンピューター-システム。応用として、自然言語の理解、機械翻訳、エキスパート-システムなどがある。 AI 。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

人工知能
じんこうちのう
artificial intelligence; AI

人工的な手段で実現され,知覚,インタラクション,推論(推理),問題解決言語連想,学習などの知的情報処理を自律的に遂行することができる情報処理メカニズム。人工知能の実現を目指した研究分野,人工知能を実装したシステムをさして使われることもある。1950年代に商用コンピュータが登場してから研究,開発が本格化した。巨大な問題空間を知的に探索する技術,知識の記号的表現と利用の技術,機械学習技術,ディープラーニングに代表されるニューラルネットワーク技術などへの取り組みが成果を上げた。限定されたタスクに対して高いパフォーマンスを発揮する狭い人工知能の実現は成功しており,2017年までにチェス,囲碁,ポーカー,クイズなどで人間のトッププレーヤーを凌駕した(→エキスパートシステム)。また,ゲームプレー,会話ロボット,コンサルテーション,大規模情報の集約・加工・モニタリング,創作活動支援,科学プロセス支援,設計製造プロセス支援,物流支援,自動運転などの広い応用に適用され始めている。他方,広範な状況で自律的に機能し,人間のようにスキルと知識を形成し続けていくことのできる汎用人工知能はまだ実現されていない。(→知識工学

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

人工知能
じんこうちのう
artificial intelligence

略してAIという。人工知能は、計算機(コンピュータ)による知的な情報処理システムの設計や実現に関する研究分野である。知的な情報処理システムとは、ことばの理解、画像・風景などの認識、問題解決、学習などといった、われわれ人間が不断に行っている知的な情報処理を行うシステムである。[桃内佳雄]

研究の立場

人工知能の研究には、相補的な二つの立場が考えられる。第一の立場は、人間の知的な情報処理のメカニズムを解明しつつ、それをシステムとして実現していこうとする立場であり、第二の立場は、人間の知的な情報処理のメカニズムにはこだわらず、知的なふるまいをするシステムを実現していこうとする立場である。実際の研究のほとんどはこの第二の立場で行われており、第一の立場は、認知科学とよばれる研究分野を特徴づけるものとなっている。
 人工知能の研究によって人間の知能のメカニズムを真に解明することができるかどうかは別として、そこで開発される技術やその応用が目ざすものは、人間と人工知能システムとが助け合って協同作業を行う世界であり、人工知能システムは人間のよき補助者となるべきものであろう。人間の補助者として有能なシステムとは、たとえば、医学・理学・工学などの専門分野における困難な問題をその分野の人間の専門家と同等のレベルで解決するシステム、多言語間の翻訳をするシステム、知能的作業を行うロボットを操作するシステム、ウェブのなかから有用な情報を発掘するシステムなどである。[桃内佳雄]

1956年に登場

人工知能ということばが一つの研究分野をさし示す名前として使われだしたのは、1956年の夏にアメリカのダートマス大学で開かれた「人工知能に関する研究会議」以来である。この会議は、のちにリスプLISPとよばれる人工知能研究用プログラミング言語を開発したマッカーシーJohn McCarthy(1927―2011)が企画し、彼のほかに、ミンスキーMarvin Minsky(1927―2016)、ニューウェルAllen Newell(1927―1992)、サイモンHerbert Simon(1916―2001)らの、その後の人工知能研究をリードした研究者たちが参加して、人間の知的行動を機械で実現することの可能性について議論した。人工知能ということばがさらに広く知られるようになったのは、1961年にミンスキーが、論文「人工知能への歩み」Steps toward Artificial Intelligenceを発表してからで、ミンスキーは、その論文で、人工知能において研究すべきいくつかの問題について分析している。それ以来、人工知能研究は多くの研究者によって推進され、さまざまな問題が検討された。その成果を踏まえて、1981年から1989年にかけて、バーAvron Barr(1949― )、ファイゲンバウムEdward A. Feigenbaum(1936― )、コーエンPaul R. Cohen(1955― )らの編集による『人工知能ハンドブック』The Handbook of Artificial Intelligence全4巻が出版された。また日本では、2005年(平成17)に人工知能学会編集による『人工知能学事典』が刊行されている。[桃内佳雄]

研究分野

『人工知能学事典』で取り上げられている研究分野は、次のようなものである。人工知能の基礎(探索、プランニングなど)、知の基礎科学(哲学、心理学、認知科学、脳科学)、知識表現・論理・推論、知識モデリング(エキスパートシステム、オントロジーなど)、機械学習、進化・創発(遺伝的アルゴリズムなど)、自然言語処理、画像・音声メディア、ヒューマンインターフェース、エージェント、ウェブインテリジェンス(ウェブマイニング、ウェブサービスなど)、ロボティクス、知識発見・データマイニング、ソフトコンピューティング(ファジー論理、ベイジアンネット、ニューラルネットなど)、応用指向の人工知能(産業応用、ナレッジマネジメント、バイオロジー、教育支援、ゲーム)である。これらの研究分野で開発された技術を応用し、多くの実用的なシステムが作成されている。
 探索は、おもに、人工知能においてもっとも初期のころから研究されているゲームのプログラムの開発を通して研究され、問題解決のためのさまざまな探索法がまとめられている。ゲームのプログラムのなかでもチェスのプログラムについては研究が進み、IBMが作成したチェスシステム・ディープブルーDeep Blueが1997年に人間の世界チャンピオンに勝利している。
 自然言語理解においては、われわれ人間が日常用いていることば(自然言語)を理解するための形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析などにおけるさまざまな手法が研究されている。とくに、文脈や知識情報の蓄積と利用のメカニズムの開発が重要であり、知識表現の研究とも関連させつつ、その研究が進められている。質問応答システム、機械翻訳システム、文章要約システムなど、かなり高い性能を示すシステムが作成されている。IBMが開発した質問応答システム・ワトソンWatsonは、2011年にアメリカの有名なクイズ番組に登場して、人間の著名なクイズ回答者2名を抑えて最高賞金額を獲得している。
 知識モデリングでは、専門領域における多くの事実および経験的な知識を集約して、専門家と同等の仕事ができるようなエキスパートシステムexpert systemの設計や実現のための技術がまとめられている。エキスパートシステムの構築における一つの重要な課題は、専門家の知識をいかに獲得するかということである。また、オントロジーは専門領域における知識の構成要素である概念や概念間の関係の階層的な構造体系をとらえるものであり、その構築と利用が、医学・医療、生物学、情報家電などのさまざまな分野において進められ、有用な成果が蓄積されつつある。
 人工知能のグランドチャレンジの一つとして、国立情報学研究所は「ロボットは東大に入れるか」という10年間のプロジェクトを2011年に開始している。[桃内佳雄]
『A・バー、E・A・ファイゲンバウム他編、田中幸吉・淵一博監訳『人工知能ハンドブック』全4巻(1983~1993・共立出版) ▽小倉久和・小高知宏著『人工知能システムの構成 基礎からエージェントまで』(2001・近代科学社) ▽人工知能学会編『人工知能学事典』(2005・共立出版) ▽S・ラッセル、P・ノーヴィグ著、古川康一監訳『エージェントアプローチ人工知能』第2版(2008・共立出版) ▽M・ミンスキー著、竹林洋一訳『ミンスキー博士の脳の探検――常識・感情・自己とは』(2009・共立出版) ▽R・ファイファー、J・ボンガード著、細田耕・石黒章夫訳『知能の原理――身体性に基づく構成論的アプローチ』(2010・共立出版) ▽長尾真著『人工知能と人間』(岩波新書) ▽安西祐一郎著『心と脳――認知科学入門』(岩波新書)』

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図書館情報学用語辞典の解説

人工知能

認識,言語理解,判断,推論,学習,問題解決といった人間の頭脳働きを研究対象とする学問分野.その目的は,こうした働きをコンピュータによって実現することであり,一般に画像・物体音声・言語の認識,知識の表現や体系化,学習の三つの分野に大別することができる.人工知能によって思考を心理学的・生理学的に捉えるアプローチが開拓されたが,頭脳の働きをどの程度コンピュータで実現できるかに関しては,肯定的および否定的な見方がある.

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世界大百科事典内の人工知能の言及

【コンピューター】より

… 逆に,形式的に明解に記述できないものはコンピューターにはうまく扱えない。1950年代半ばに提唱された人工知能が今日に至るまでコンピューターの最大の難問の一つとされているのは,人間の知能,なかんずく人間の常識を,形式的に明解に記述する方法がいまだに発見されていないからである。 記述の問題に起因するこのようなコンピューターの能力の限界を破るために,この項目で述べたノイマン型のコンピューターのモデルではなく,人間の神経回路網をモデルにしたニューラルコンピューターの研究や,小さな記述の種を出発点にして多数のコンピューターを並列に動かして,元の記述からは予期できないような計算の振舞いを創発させる研究が行われている。…

【情報科学】より

…技術面では個別のコンピューターからコンピューターネットワークへとシステムの構成が発展し,さらに直列処理集中制御のノイマン方式を超えて,並列処理分散制御方式の実現への試行が始まった。 人間が行っている知的情報処理をコンピューターに行わせること,これは人工知能と呼ばれ,コンピューターサイエンスの長い間の夢であった。研究初期の課題であったパターン認識はすでに実用の域に達し,さらに進んでパターンの理解,自然言語の処理,意味の理解,知識構造の解明,エキスパート(専門知識)システムの開発へと研究が進んでいる。…

【知識表現】より

…人工知能システムにおいては,問題解決を高度化するために知識ベースに蓄積した専門的な知識に頼ることが多い。コンピューターでは形式的な処理しかできないことを考えると,そのような知識をコンピューター上に表現し,形式的な操作で解が導けるように定式化する必要がある。…

【プログラミング言語】より

…Lispでは関数もS式で書き表せるデータであり,プログラムの中で関数をデータとして組み立てた後,evalと呼ぶ関数によってただちに実行することができる。このことがLispに高い柔軟性を与え,記号処理の機能と併せて人工知能などの分野の研究に多く使われることとなった。反面この柔軟性のために初期のLispはインタープリターに基づく処理系が中心であり,処理速度が遅いという評判を招いた。…

【ロボティクス】より

…この時点では,それぞれの要素技術が未熟であったため,以降,各要素技術に分化して独立に研究がなされてきた。それらは主に,(1)環境を認識するための視覚をはじめとする各種センサーの開発とセンサー情報の処理手法(とくに計算機による視覚機能の代行を目指す研究分野はコンピュータービジョンと呼ばれている)に関する研究分野,(2)認識された環境の状態に基づき,事前にもっている知識などを用いて推論したり,動作を計画するなど,頭脳に当たる部分に関する研究,一般に人工知能Artificial Intelligence(以下,AIと略記)と呼ばれている研究分野,そして(3)実際に行動するための機構の開発・設計・製作およびそれらの制御に関連する研究分野の三つである。 これらの要素技術を系列的に組み合わせれば,知能ロボットが実現できると考えるのは自然である。…

※「人工知能」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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