遮光器土偶(読み)シャコウキドグウ

デジタル大辞泉 「遮光器土偶」の意味・読み・例文・類語

しゃこうき‐どぐう〔シヤクワウキ‐〕【遮光器土偶】

土偶一種。顔の輪郭を超えて大きく表現された目に特徴がある。この目が、イヌイット雪中の光けに着用した遮光器(スリット状の穴が空いたゴーグル)に似ることから命名された。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「遮光器土偶」の解説

遮光器土偶
しゃこうきどぐう

縄文晩期の亀ケ岡文化にともなう土偶。遮光器とはイヌイットなどの極北民族が用いる雪眼鏡で,目の表現がこれに似ることから命名。亀ケ岡様式の文様で装飾された大型中空(ちゅうくう)土偶と,中型・小型の中実(ちゅうじつ)土偶がある。東北北部を中心に分布するほか,周辺地域の関東などでも模倣された。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の遮光器土偶の言及

【土偶】より

…また東北地方の後期には両膝を立てたり,座って腕を組んだりした,きわめて写実的な土偶が分布している。晩期の土偶は東北地方の亀ヶ岡文化のいわゆる遮光器土偶に代表される。これは中空の大型品で頭部には王冠をつけたような装飾があり,眼はエスキモーの遮光器をかけたように表現されている。…

※「遮光器土偶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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