避難者トリアージ(読み)ヒナンシャトリアージ

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

避難者トリアージ

大規模災害で避難所が不足する場合に、自宅の被災程度や避難者の健康状態、障害や病気の有無などを考慮し、避難所で受け入れるべきかどうかを決める。フランス語で「選別」を意味するトリアージは、救急救命の現場で患者の緊急度、重症度などを即座に判断して治療の優先度を見極める際に使われる概念。

(2013-08-11 朝日新聞 朝刊 1社会)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

避難者トリアージ
ひなんしゃとりあーじ

避難所において、被災の程度などを目安にしながら被災者への対応の優先度を決めること。巨大地震などの大災害時には避難所の収容能力が不足するため、自宅の被災程度や被災者の健康状態、障害や持病の有無、年齢などを考慮したうえで、避難所で受け入れるか、帰宅を促すかなどについて、より分けることが避けられない。トリアージtriageは「選別」を意味するフランス語で、通常は多数の負傷者が発生した際に、治療の順番を患者の緊急度に応じて判定することをいう。避難者トリアージは、この救命救急の考え方を、被災時の避難所で応用しようとするもので、2013年(平成25)5月、今後発生が想定される南海トラフ巨大地震対策の報告書で、国の中央防災会議が提案した。
 南海トラフ巨大地震が発生した場合、最悪の想定では、死者は約32万人、避難者は約950万人以上に上るとされる。こうした状況下では、避難所は数が不足すると同時に、物資の配給や生活情報を求める人たちであふれかえり、緊急の治療や多大な被害を受けて行き場のない人への支援が滞るおそれがある。中央防災会議では、日ごろから地域で議論して理解を深めておき、被災の程度が比較的軽度で避難所で受け入れられない場合には、自宅にとどまることを想定し、事前の備えをしておくよう提言している。[編集部]

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