1890年(明治23)に成立し,1923年(大正12)に廃止された郡単位の議会。1890年の郡制施行のもと,予算・決算などを審議した。郡会は郡長を議長とし,議員の3分の2が町村会議員の互選で,3分の1が地価総額1万円以上の大地主の互選であった。99年の郡制見直しにより,選挙権を直接国税3円以上の者,被選挙権を直接国税5円以上の者とし,自治的性格は強化されたが,郡制自体が根づかず,郡制ともども廃止となった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…当時郡長は警察とともに国家権力の象徴的存在とみなされ,各府県会ではしばしば郡長公選が建議された。90年の郡制公布によって郡には郡会がおかれ初めて地方自治体となったが,課税権もなく,府県知事や内務大臣の強い監督権下におかれ,自治体としては不完全であった。郡会はその3分の2の議員を各町村会が選挙し,残り3分の1は地価1万円以上の土地を所有する大地主が互選でえらぶこととされ,地主層中心の議会となった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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