郭公の巣(読み)かっこうのす(その他表記)One Flew over the Cuckoo's Nest

日本大百科全書(ニッポニカ) 「郭公の巣」の意味・わかりやすい解説

郭公の巣
かっこうのす
One Flew over the Cuckoo's Nest

アメリカの小説家ケン・キージーの長編小説。1962年刊。患者の人間性を抑圧し、病状を悪化させつつある精神科病院の管理体制に対し果敢な挑戦を試みるが、ついにはロボトミーの犠牲になる一青年の物語。しかし、語り手の混血インディアンの視点は、強者の支配する企業合同(コンバイン)的社会体制のなかにあってつねに悲惨な犠牲を強いられる弱者白人によって窮地に追い込まれたインディアンたちの哀れな状況を鮮明に浮き彫りにしている。題名の「一羽は郭公の巣の上を飛んでいった」はインディアンの伝承童唄(わらべうた)の一節。なお出版の翌年D・バッサーマン脚色でブロードウェーの舞台化が行われ、さらに75年にはミロシュ・フォアマン監督で映画化(邦題『カッコーの巣の上で』)され、アカデミー作品賞を受けた。

[杉浦銀策]

『岩元巌訳『カッコーの巣の上で』(1996・冨山房)』

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