改訂新版 世界大百科事典 「配合土」の意味・わかりやすい解説
配合土 (はいごうど)
compost
鉢植えの植物は根の発達が制限されるので,通気性がよく,水分や養分を十分保持できる土壌を用いないと生育が悪い。このため,鉢栽培では土壌をそのまま用いることは少なく,理化学性を改善するための資材と混合するか,土壌を使わずにそれらの資材だけを混合して利用するのが一般的である。配合土はこのようにして作った鉢栽培用の土壌で,培養土ともいう。配合土に利用する資材は理化学性がすぐれているだけでなく,病虫害のおそれがなく,軽くて,しかも安価で大量に入手できるものでなければならない。そこで,砂,腐葉土,ピートモス(湿地にミズゴケが堆積してできた泥炭),バーミキュライト(ある種のケイ酸塩鉱物をごく短時間,1000℃で加熱したもの),パーライト(火山岩の一種を1000℃前後の温度で焼いたもの),おがくずなどを用いることが多い。これらの資材の配合割合は栽培者の経験によって決めていたが,近年では,多くの種類の植物に共通して利用できる配合土の調製法が考案されている。
執筆者:杉山 信男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報