酒室神社(読み)さかむろじんじや

日本歴史地名大系 「酒室神社」の解説

酒室神社
さかむろじんじや

[現在地名]茅野市宮川 坂室

坂室のほぼ中央に位置し、甲州道中田沢道たざわみちに隣接する。祭神は酒解子神あるいは建御名方神。諏訪神社の末社で、坂室新田さかむろしんでん村の産土神である。当社の名は、嘉暦四年(一三二九)とされる鎌倉幕府下知状に「酒室社御造営 千野 青柳 田沢ノ役」とみえている(「諏訪史蹟要項」宮川篇)

上社の御狩神事の重要な拠点で「諏方大明神画詞」には「五月二日、御狩押立進発(中略)酒室ノ社前ニ至ル、此所ニシテ三頭対面ノ礼ヲナス、其後長峰山ニ登ル」「七月廿六日、御射山登マシ、大祝神殿ヲ出テ、先、前宮・溝上ノ両社ヘ詣テ、後進発ノ儀式アリ(中略)先陣既ニ酒室ノ社ニ至ル、神事饗膳アリ、又神物・鞍馬・武具是ヲヒク」とあって、諏訪神社の年次祭典の御狩押立と御射山祭の際には酒室社の神事によってすべての準備を整えた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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