重ねの色目(読み)かさねのいろめ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「重ねの色目」の意味・わかりやすい解説

重ねの色目
かさねのいろめ

襲の色目とも書く。平安時代に衣の表裏や,衣2枚以上重ねた際の色の配合をいう。男女の装束や料紙を何枚か重ねることによって季節感と色構成の美しさを表現する。名称も四季の草花樹葉にちなんでつけられた。特に男性の狩衣 (かりぎぬ) ,女性の女房装束における表着,打衣 (うちぎぬ) ,重ね袿 (うちき) ,単衣 (ひとえぎぬ) などによって服装美が一層こまやかに表現された。表を白,裏を紅とする桃,表を白,裏を青とする卯花,表を黄,裏を青とする黄菊,表を蘇芳,裏を赤とするつばきなどは春夏秋冬好例であり,五衣 (いつつぎぬ) を同色にして濃淡をつけた匂 (におい) ,あるいは白を重ねた薄様 (うすよう) などもある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む