重力レンズ効果(読み)じゅうりょくレンズこうか(英語表記)gravitational lens effect

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「重力レンズ効果」の解説

重力レンズ効果
じゅうりょくレンズこうか
gravitational lens effect

星の光が太陽の近くを通過するとき,その重力場により経路が曲げられる現象。アインシュタイン効果ともいう。アルバートアインシュタイン一般相対性理論で予言され,その観測は一般相対性理論の重要な検証となるので,1919年の皆既日食時のイギリス隊の観測以来いくつかの報告があるが,観測精度が低く,成果はある程度しかあがらなかった。近年,太陽による電波源掩蔽(えんぺい)を利用する電波観測が理論値(太陽表面をかすめる光の曲がりの角 1.75秒)を約 1%の精度で検証している。また宇宙論的スケールでの重力レンズ効果の重要性が高まっている。遠方のクエーサーが重力レンズ効果で複数個の像,ときには円環状の像(アインシュタインリング)となって見える例が 1979年以来多数発見されている。ダークマター宇宙項の存在の検証にも,重力レンズ効果の研究が果たす役割は大きい。

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