アインシュタインが1915年から1916年にかけて完成した、時間・空間に関する理論であり、同時にそれは重力の相対論的理論ともなっている。1905年にアインシュタインによりみいだされた相対性理論は、互いに等速運動(速度の大きさおよび方向が時間的に変化しない運動)している座標系が物理法則を記述するうえで対等であることを明らかにしている。この場合には、等速運動という「特殊な運動」に対する相対性理論なので特殊相対性理論ともよばれる。それに対して、座標系間の一般の運動に対して相対性理論を拡張したのが、一般相対性理論である。この理論は、重力と慣性力を同一のものとみなす等価原理を物理的基礎とし、座標系の一般的変換に対する共変性という数学的要請により完成した。現在この理論は、宇宙における重力の相対論的効果の解明に役だっているほか、ゲージ理論による素粒子相互作用の統一理論(統一場理論)探究にも大事な役割を果たしている。
[佐藤文隆]
『S・ギビリスコ著、小島英夫訳『図説 アインシュタインの相対性理論――特殊および一般相対性理論と宇宙論』(1989・大竹出版)』▽『冨田憲二著『相対性理論』(1990・丸善)』▽『アルバート・アインシュタイン著、金子務訳『特殊および一般相対性理論について』(1991・白揚社)』▽『マーティン・ガードナー著、金子務訳『相対性理論が驚異的によくわかる』改訂新版(1992・白揚社)』▽『砂川重信著『相対性理論の考え方』(1993・岩波書店)』▽『エルンスト・カッシーラー著、山本義隆訳・解説『アインシュタインの相対性理論』改訂新装版(1996・河出書房新社)』▽『松田卓也・二間瀬敏史著『なっとくする相対性理論』(1996・講談社)』▽『小玉英雄著『相対性理論』(1997・培風館)』▽『佐藤文隆・小玉英雄著『一般相対性理論』(2000・岩波書店)』▽『窪田高弘・佐々木隆著『相対性理論』(2001・裳華房)』▽『佐藤勝彦監修『図解 相対性理論がみるみるわかる本』(2003・PHP研究所)』▽『A・アインシュタイン著、内山龍雄訳『相対性理論』(岩波文庫)』
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(尾関章 朝日新聞記者 / 2007年)
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…14年春にはM.プランクやH.W.ネルンストのきもいりで,プロイセン科学アカデミー正会員,カイザー・ウィルヘルム研究所の物理学部長としてベルリンに招かれた。15年,一般相対性理論を完成,その理論からの帰結の一つである重力場による光線の屈曲現象が,第1次世界大戦後まもなく(1919),イギリスの日食観測隊によって確かめられたことによって,アインシュタインと相対性理論の名は世界的に爆発的に知られるようになった。数理物理学への功績,とくに光電効果の法則の発見に対して,21年度ノーベル物理学賞を受けた。…
…これがアインシュタインをして現代でももっとも魅力ある物理学者の一人たらしめている原因であろう。ここではまず座標変換,慣性系など,相対性理論の理解のための予備知識の説明から始め,次いで特殊相対性理論,一般相対性理論について概説したい。アインシュタイン
【運動の相対性と座標変換】
およそ運動とは,すべて,〈何か〉に対する運動として記述される。…
※「一般相対性理論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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