デジタル大辞泉
「野太刀」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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の‐だち【野太刀・野剣】
- 〘 名詞 〙
- ① 自衛用の短刀。刺刀(さすが)。〔十巻本和名抄(934頃)〕
- ② 公家の兵仗の太刀の総称。革緒の太刀。衛府の太刀。〔西宮記(969頃)〕
野太刀②〈奈良県春日大社〉
- ③ 室町時代、武士が肩に背負い、または、郎従に持たせた長大な刀。
- [初出の実例]「鳥井はすぐれてたくましき剛の者にて、三尺余りの野太刀(ノダチ)を打ふり死狂に切て廻る」(出典:随筆・常山紀談(1739)三)
野太刀の語誌
②は、束帯に佩く儀式用の飾太刀や細太刀に対して、兵仗に佩く太刀で、衣冠で行幸のある時、非常の時、直衣始の折等に着用した。天皇の野外出行の際の警護に帯用するために「野太刀」と呼ばれ、衛府の将以下の官人が常に着用したところから「衛府(えふ)の太刀」ともいう。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の野太刀の言及
【太刀】より
…奈良時代には柄に鮫皮(さめかわ)をきせて鞘に漆を塗り,金銀飾の長金物(なががなもの)を入れた唐大刀(からだち)とその略式である唐様(からよう)の大刀が行われ,平安時代になると唐大刀は飾太刀(かざだち)とよばれて儀仗の最高級となり,その略式は細太刀とよばれて帯剣を許された公卿の儀仗となった。兵仗は柄を毛抜形にすかしたのが特色で,衛府(えふ)の武官の常用として衛府(よう)の太刀といい,公卿も非常の際の実用としてこれを野太刀(のだち)ともいった。また儀仗用の太刀の緒の平緒(ひらお)に対して,兵仗用は革緒(かわお)を用いるので革緒の太刀ともいった。…
※「野太刀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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