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江戸中期の随筆、歴史書。正編25巻、拾遺4巻、付録『雨夜灯(あまよのともしび)』1巻、30冊。湯浅(ゆあさ)常山著。元文(げんぶん)4年(1739)の自序があり、原型はそのころにできたものと思われるが、刊行は著者没後30年ほどのち、文化・文政(ぶんかぶんせい)年間(1804~30)のことであった。戦国時代から江戸時代初頭の武士の逸話や言行700余を、諸書から任意に抄出、集大成したものといってよい。著者自らが「ここに収めた逸話は大いに教訓に資する故に、事実のみを記す」というように、内容はきわめて興味深いエピソードに富み、それが著者の人柄を反映した謹厳実直な執筆態度や、平明簡潔な文章と相まって多くの読者を集めた。
[宇田敏彦]
『『常山紀談』(岩波文庫・角川文庫・有朋堂文庫)』
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