金倉上庄(読み)かなくらかみのしよう

日本歴史地名大系 「金倉上庄」の解説

金倉上庄
かなくらかみのしよう

近世の上金倉村を遺称地とし、現在の金倉町から善通寺市金蔵寺こんぞうじ町一帯に推定される。弘安四年(一二八一)三月二九日の近江園城おんじよう寺の補任状(案、園城寺文書)で金倉上庄公文職に沙弥成真が補任されている。建武三年(一三三六)九月二四日の光厳上皇院宣(案、同文書)では園城寺長吏性覚法親王に他の寺領とともに金倉上庄を安堵しており、これは当庄の正式の名称であったといえる。なお貞応三年(一二二四)九月日の東寺三綱等解(随心院文書)などに金倉庄がみえる。同解によれば公領であった同庄は建仁三年(一二〇三)智証大師円珍誕生地の由緒をもって、園城寺へ寄付されている。寛喜元年(一二二九)五月一九日の官宣旨(善通寺文書)にも、同庄は建仁三年に立庄の宣旨を下された「寄進之新庄」とみえ、立庄は正式の手続きを経たものであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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