金熊寺(読み)きんゆうじ

日本歴史地名大系 「金熊寺」の解説

金熊寺
きんゆうじ

[現在地名]泉南市信達金熊寺

金熊寺川中流左岸にある。真言宗御室派、一乗山と号し、本尊如意輪観音。寺伝によると役小角が開創したという。応長二年(一三一二)三月二〇日の泉州信達庄金熊寺堂供養願文(束草集)によると、役行者は夢告によって土中より六寸の金銅像を得、自らも四寸の本尊木像を刻し、三間四面の堂を建立して安置したという。寺名は行者が当寺鎮守として金峯・熊野の両神を勧請したことにちなむとする。また正安元年(一二九九)一月二八日諸堂が罹災したが、本尊と薬師堂は免れ残ったという。天正一三年(一五八五)豊臣秀吉の紀州攻撃の兵火にかかり焼失したが、その後再建された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の金熊寺の言及

【泉南[市]】より

…大阪市から40km圏に位置しているため,近年は住宅地化が進んでいる。市内には熊野参詣の王子社の一つである茅渟(ちぬ)神社や役小角(えんのおづぬ)が開いたと伝える金熊(きんゆう)寺などがある。【秋山 道雄】。…

※「金熊寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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