釧路叢書(読み)くしろそうしよ

日本歴史地名大系 「釧路叢書」の解説

釧路叢書
くしろそうしよ

三四冊 釧路市 昭和三五年―(刊行中)

解説 昭和三五年、生成発展する釧路市の将来の各分野への寄与を期待して、市周辺の文化遺産を発掘収集・整理し、厳選して体系的に刊行しようと志して始めた。市民の生活向上および学術研究上の資料を提供しようとするもので、自治体出版物としてまれな例に入る。市販もされる。主題・内容ともに多岐にわたる。最初の一〇巻でも史料集・郷土研究論文集・漁業発達史・植物・文学運動史・地質医学史など、歴史・自然・産業・芸術・学問各分野にわたり、この後のシリーズ全体の性格が出ている。個人および研究団体等の編著であるが、同時進行中の釧路市史編集事業との関係も緊密である。多くの分野の研究により釧路地方の地域性が明らかにされ、それが市の内外に発信されて高い評価を得ている(平成一一年の第三四巻が最新刊)。専門的な本叢書に対して、昭和五二年から気軽に読めタイムリーな内容をもった「釧路新書」の刊行を開始し、現在二六巻に達する。テーマや執筆・編集体制は叢書とほぼ同じで、現在の編集部局は釧路市地域史料室である。なお、帯広・釧路に続いて道内自治体が刊行する叢書として、旭川叢書、さっぽろ文庫、名寄叢書、稚内叢書、美幌叢書、叢書白糠、郷土美唄シリーズ、あかびら・ふるさと文庫、叢書・江別に生きる、その他がある。このうちさっぽろ文庫は、昭和五二年創刊、平成一四年全一〇〇巻で完結した大シリーズであり、内容は一般市民向けの文化誌である。市発行分以外に新聞社から大部数が市販されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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