精選版 日本国語大辞典 「内外」の意味・読み・例文・類語
うち‐と【内外】
〘名〙
※竹取(9C末‐10C初)「うちとなる人の心ども、物におそはるるやうにて、あひ戦はん心もなかりけり」
② (━する) 許されて奥向きに出入りすること。
※栄花(1028‐92頃)もとのしづく「御方々に皆内外し給へるうちにも」
③ 「うちと(内外)の宮」の略。
※観智院本三宝絵(984)序「内外(ト)の道を見給ふるに、心は恩の為に仕はれ」
※平家(13C前)一一「三町がうちとの物ははづさずつよう射けり」
※たまきはる(1219)「年もみな廿がうちとなり」
⑥ (「と(外)」は軽く添えた語) 家の中。→うちと(内外)の者
ない‐げ【内外】
〘名〙 (「げ」は「外」の呉音)
① =ないがい(内外)①
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「何か。かかる宮仕仕うまつる人には、内げをこそゆるし給はめ」
※金刀比羅本保元(1220頃か)上「内外(ナイゲ)の御祈さまざまなりといへども」
⑤ 内位と外位(げい)。
※令義解(718)選叙「凡内外五位以上勅授」
⑥ 内官と外官(げかん)。
※令義解(718)選叙「凡任二内外文武官一」
ない‐がい ‥グヮイ【内外】
〘名〙
① 内側と外側。内部に属するものと外部に属するもの。家や店の内のことと外のこと。国内と国外。うちと。ないげ。
※名語記(1275)五「内外にたがはず、不思議なる歟」
※浮世草子・西鶴織留(1694)二「わたくしなく内外(ナイグヮイ)ともに勤めければ」 〔春秋左伝‐襄公三一年〕
② 数量、時間などを表わす語に付いて、それに近いことを示す語。ぐらい。そこそこ。前後。
※明治の光(1875)〈石井富太郎編〉二「今の参議殿や卿大輔殿も、十年前までは百斤内外の符徴なりしが」
うち‐そと【内外】
〘名〙
① うちとそと。内部と外部。うちと。ないがい。
※浮世草子・人倫糸屑(1688)妾揚「内外(ウチソト)のとりさばき世上のそしりを思ふ事なく」
※火の柱(1904)〈木下尚江〉五「御存(ごぞんじ)下ださいます通り家の内外(ウチソト)、忙しいもンですから」
② だいたいの程度を表わす語。前後。ないがい。
※甲陽軍鑑(17C初)品三三「惣領の男子さへ十歳のうちそとにて」
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