鉄漿付(読み)かねつけ

精選版 日本国語大辞典 「鉄漿付」の意味・読み・例文・類語

かね‐つけ【鉄漿付】

  1. 〘 名詞 〙
  2. お歯黒をつけること。江戸時代には、女子成年の儀式の一つとされ、知人七か所から鉄漿をもらってくる風習があった。
    1. [初出の実例]「まゆぬき、かねつけなど女びさせたれば、かくてはいとどにほひまさりたりけるをやと見えて」(出典:とりかへばや物語(12C後)中)
  3. 江戸時代、遊里遊女芸妓一人前になるときの、お歯黒をつける儀式。
    1. [初出の実例]「只世上の女郎に異なる事は、袖とめ、かね付の世話なきのみにてぞ有りける」(出典:談義本・風流志道軒伝(1763)五)
  4. かねつけふで(鉄漿付筆)」の略。
  5. かねつけとんぼ(鉄漿付蜻蛉)」の略。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android