精選版 日本国語大辞典 「鉄漿付」の意味・読み・例文・類語
かね‐つけ【鉄漿付】
- 〘 名詞 〙
- ① お歯黒をつけること。江戸時代には、女子成年の儀式の一つとされ、知人七か所から鉄漿をもらってくる風習があった。
- [初出の実例]「まゆぬき、かねつけなど女びさせたれば、かくてはいとどにほひまさりたりけるをやと見えて」(出典:とりかへばや物語(12C後)中)
- ② 江戸時代、遊里で遊女や芸妓が一人前になるときの、お歯黒をつける儀式。
- [初出の実例]「只世上の女郎に異なる事は、袖とめ、かね付の世話なきのみにてぞ有りける」(出典:談義本・風流志道軒伝(1763)五)
- ③ 「かねつけふで(鉄漿付筆)」の略。
- ④ 「かねつけとんぼ(鉄漿付蜻蛉)」の略。