山川 世界史小辞典 改訂新版 「鉄製農具」の解説
鉄製農具(てつせいのうぐ)
中国では春秋時代末期から戦国時代にかけて,鉄鉱石を1100~1300度の高温で鋳型(いがた)に溶かし込む銑鉄(せんてつ)が生産された。農具への使用は生産力を飛躍的に向上させた。戦国中期以降,富裕者に広まったが,漢代になって一般農民にまで普及した。戦国時代の遺跡から,鍬(くわ),鎌,斧などの農具が出土し,漢代の製鉄所の遺跡も発見されている。戦国時代の民間製鉄業者として趙(ちょう)の卓氏,斉の程氏が知られ,前漢武帝のときに全国に鉄官を置き,専売制が実施された。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報