銀化合物(読み)ギンカゴウブツ

化学辞典 第2版 「銀化合物」の解説

銀化合物
ギンカゴウブツ
silver compound

普通は一価,ときに二価,三価の化合物がある.【】銀(Ⅰ)化合物:ハロゲン塩はフッ化銀を除いて水に難溶性である.塩化銀,臭化銀は光によって徐々に分解されて,紫色から黒色に変じ銀を遊離する.単塩は一般に白色であるが,ヒ酸銀Ag3AsO4(赤褐色),リン酸銀Ag3PO4(黄)など有色のものもある.また,多くの錯塩を形成する.反磁性.【】銀(Ⅱ)化合物:ハロゲン化銀(Ⅱ)AgF2以外は知られていない.銀または銀塩のフッ素化により得られる黒色の物質である.酸化力が強い.錯塩は,[Ag py4]2+,[Ag dip3]2+ などがある.常磁性.【】銀(Ⅲ)化合物:錯塩だけが知られている.K[AgF4],M7[Ag(IO6)2]・nH2Oなどで反磁性を示す.

無機銀塩類(塩化銀,雷酸銀を除く)として劇物指定.銀およびその水溶性化合物としてPRTR法・第一種化学物質指定.作業環境クラス1.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android