化学辞典 第2版 「銀-塩化銀電極」の解説
銀-塩化銀電極
ギンエンカギンデンキョク
silver-silver chloride electrode
基準電極の一種.電位の安定性および再現性がよく,取り扱いも比較的簡単なので,現在広く用いられている.普通,次のようにつくられる.ガラス管の先端に封じた白金線上に,電解めっきにより,あるいは酸化銀のペーストを塗って高温還元することにより,その表面上に一様に厚目に銀をつけ,これを陽極として塩酸溶液中で電解して,銀の表面を塩化銀とし,この電極を一定濃度の塩化物イオンを含む溶液に浸漬する.この電極の構成はAg|AgCl(固)|Cl- のように表され,したがって,その平衡電極電位は,一定温度では,溶液中の塩化物イオンの活量により一義的に定められる.0.1 mol L-1 および1 mol L-1 の塩化カリウム溶液に浸した銀-塩化銀電極の25 ℃ における平衡電極電位の値は,水素電極尺度で,それぞれ+0.289 V および+0.236 V である.なお,この電極は使用に際し,日光を避ける必要がある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報