日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペースト」の意味・わかりやすい解説
ペースト
ぺーすと
paste
すりつぶした状態の食品のこと。肉、魚、果物、野菜など各種のものがある。材料をすりつぶし、水分の多いものは濃縮し、少なくて固いものは液体を加え適度な粘度に調節する。加熱調理と調味をして瓶詰、缶詰に加工したものが多い。肉類ではチキンペースト(鶏肉)、レバーペースト(ウシ、ブタ、ニワトリなどの肝臓)、魚ではアンチョビーペースト(イワシの塩蔵発酵品)、野菜でトマトペーストがある。そのほか、アーモンドペースト、ごまペーストなどがある。また、各種のベビーフード、練りうに、なめみそ、海苔佃煮(のりつくだに)なども一種のペーストである。ペーストはそのままでカナッペやサンドイッチに用いる。また、ソースのベース、和(あ)え物など調味料としても用いられる。
小麦粉に水や牛乳とバターなどを加えてこねた生地(きじ)のなかで、パンやケーキなどより柔らかいものをペーストとよぶ。たとえばシュークリーム用のシュー生地やクレープ生地をペーストという。
[河野友美]