日本歴史地名大系 「銚子道」の解説 銚子道ちようしみち 千葉県:総論銚子道銚子に至る道の総称または通称。公的な街道ではなく、本筋も定まっていないが、とくに飯沼(いいぬま)観音(円福寺、坂東三十三所観音霊場第二七番札所)に赴く道として、江戸後期に往来が多かった道として便宜上ここで称する。ただし多古(たこ)村(現多古町)経由の銚子道はこれも便宜上別に多古銚子道とする。銚子道のおもな道筋は利根川水運の拠点である印旛(いんば)郡木下(きおろし)河岸(現印西市)からであるが、江戸中期から利根川の水運を利用した香取神宮・鹿島神宮および息栖(いきす)神社(現茨城県神栖町)を巡拝するいわゆる三社参詣が盛んになり、銚子磯巡りを含めた往来客が木下茶船と称する船で松岸(まつぎし)河岸(現銚子市)まで運んでいた(「利根川図志」など)。さらに明和七年(一七七〇)の「坂東観音霊場記」の刊行などによる飯沼観音への巡礼者が増加しはじめ、やはりこの舟運を利用したと考えられる(利根川図志)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by