鍋被(読み)なべかぶり

精選版 日本国語大辞典 「鍋被」の意味・読み・例文・類語

なべ‐かぶり【鍋被】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鍋を頭にかぶること。鍋祭風習。また、鍋祭をさしていう。
    1. [初出の実例]「すりこ木をさすべきはづをなべかぶり」(出典:雑俳・柳多留‐二一(1786))
  3. 江戸中期にはやった悪性の流行病の一つ。鍋を被ったように、鼻から上が黒くなるもの。
    1. [初出の実例]「鍋かぶりといふ疾はやる、鼻より上黒くなる」(出典:武江年表(1848)享保一五年一一月)
  4. 白禿瘡頭(しらくもあたま)。〔育児読本(1931)〕
  5. 鳥「ひがら(日雀)」の異名
    1. [初出の実例]「じゅずかけとやらなべかぶりとやらじゃおっせんかへ」(出典:洒落本・通言総籬(1787)二)

なべ‐かずき‥かづき【鍋被】

  1. 〘 名詞 〙
  2. なべまつり(鍋祭)
    1. [初出の実例]「鍋かづき様に黒吉祈る嚊」(出典:雑俳・旅すずり(1744))
  3. 鳥「ひがら(日雀)」の異名。〔喚子鳥(1710)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android