かゆみを止める薬。各種の皮膚感染症や炎症性皮膚疾患などに伴うかゆみを止めるのに用いられる。炎症の一つの原因としてヒスタミンおよびヒスタミン様物質が考えられている。したがって抗ヒスタミン剤の外用剤(ジフェンヒドラミン1%軟膏(なんこう)、塩酸イソチベンジル0.75%ゼリーなど)や、抗炎症作用の強い酢酸ヒドロコルチゾンやデキサメタゾンなどの副腎(ふくじん)皮質ホルモンの軟膏やクリームが、その原因である炎症を止めることからよく用いられる。しかし、副腎皮質ホルモンの外用剤は、皮膚感染症にはかえって病原菌の増殖を促進することから禁忌である。フェノール・亜鉛華・リニメントは、フェノールの消毒力と弱い局所麻酔作用により、かゆみ止めにも応用される。抗ヒスタミン作用も局所麻酔作用もなく、かゆみのみを止めるものにクロタミトン軟膏(「オイラックス」)があり、10%の濃度で使用される。
[幸保文治]
顔や四肢に特有の紅斑がみられる疾患で,伝染性紅斑の俗称。パルボウイルスの感染によって年長幼児,低学年児童に好発し,乳児や成人には少ない。1〜2週間の潜伏期ののち突然発疹が出る。発疹は両ほおに対称的に生...