精選版 日本国語大辞典 「鏟」の意味・読み・例文・類語
せん【鏟】
- 〘 名詞 〙 鉋(かんな)。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
鏟は〈さん〉とも読み,中国漢代には,除草・中耕用の農具の鋤,唐代には大型の鑿(のみ)状工貝をいったものらしい。現在ではものを削平にする道具をいう。日本では,鍛冶屋の地金透(す)き工具で,《和名抄》にも奈良之(ならし)の名で記載があり,木を平らに削る工具でもあるとしている。両手使いで,鍛冶用は押して,木工用は引いて削る。中国明代の《正字通》に〈鉋は鏟を木筐中に銜(ふく)む〉とあり,台鉋(だいがんな)のことを意味すると考えられる。現代は銑の字があてられるが,根拠不明である。鏟(銑)は桶屋,杮(こけら)屋,下駄屋などが用いる。
執筆者:成田 寿一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…形は不定型の金属塊をなすのではなく,金属に鋳造加工がほどこされる。初期のころは,剣をかたどった鉄剣貨幣(古代イギリス,ブリタニア),鏟(さん)型・小刀型青銅貨(古代中国),スパルタの槍型鉄貨,クレタの三足容器の図像貨,獅子あるいは牛をかたどった鋳貨(古代ギリシア,小アジア),古代エジプトの腕輪型金銀貨などのように,原始貨幣の性格を形や意匠にとどめるもの,あるいは,旧約聖書にみえるヘブライの貨幣単位ケシタqeśîṭāh(羊を意味するヘブライ語),ローマの貨幣ペクニアpecunia(羊を主とする家畜を意味するラテン語)のように単位名称によって原始貨幣との系譜をとどめるものが多い。その後,鋳造貨幣は持運びの便宜,摩滅防止など技術的要因から一般的に円形をとることが多くなった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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