ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長壁式採炭法」の意味・わかりやすい解説
長壁式採炭法
ちょうへきしきさいたんほう
long-wall (mining) system
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…しかし,炭層の厚さや傾斜,断層などのじょう乱の程度,〈はさみ〉(中硬(なかぼた)などともいわれる炭層中の岩石の薄層)や炭質の変化,地圧の大きさや上下岩盤の強度,ガス湧出の有無や自然発火のしやすさなど,いろいろな要因がからみ合うので,どのような採掘法を適用すべきかについては,十分な検討が必要であり,改善も行われなくてはならない。 採炭法は長壁式採炭法と炭柱式採炭法に大別できる。長壁式採炭法には,炭層の性状によってさらに,急傾斜層の長壁式採炭法,厚層および累層(炭層が数枚,わずかの間隔をおいて重なって存在すること)採炭法,薄層採炭法などの変形があるが,ヨーロッパの諸国で発達し,日本でもその出炭の大部分を占める方式である。…
…またこの時期には徹底した炭鉱合理化が推進された。技術的な合理化では,石炭の採掘面を20m以上に長く設定する長壁式採炭法が普及し,コールピック,コールカッター,オーガー,コンベヤなどの採炭用機械が導入され,発破採炭も普及し,採炭機械化の端緒になった。それにともない坑内外施設の再編も進み,とくに石炭品質の向上のために選炭設備が拡充され,水洗機が普及した。…
…採炭切羽は炭層中に作られる。採炭法はいろいろあるが,日本では長壁式採炭法が普通である。これは炭層中を100~150m掘進して入・排気坑道につなぎ,その長い壁を毎日掘り進めて出炭する方法であるが,緩・中傾斜の場合はこの壁を炭層傾斜なりに作り,走向方向に掘り進めるのが普通である。…
※「長壁式採炭法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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